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骨量について

骨量のはかりかた



では、この骨の量、骨量はどうやってはかればよいのでしょうか?
まさか、ロボットみたいに人の体から骨だけを抜き出すわけにはいきませんから、測定機器を使って骨の量をはかります。

方法は大きく分けて2つあります。

1つは、X線(レントゲンを思い出してみてください)を使う方法。

もう1つは、超音波を使う方法

の2つです。


では、それぞれの方法を詳しくみていきましょう。

まず、X線を使う方法ですが、色々な方法があります。その中でも一番正確にはかることができるのが、

2重エネルギーX線吸収測定法
(Dual-energy Xray Absorption)

です。英語の頭文字をとって
DXA(デクサ)法
といわれている方法です。

この方法の利点は

1)全身の骨をはかることができます。特に骨粗鬆症になると骨折しやすくなる脊椎・大腿骨頸部(だいたいこつけいぶ)をはかる事もできます。

2)「骨はなんでできているのでしょうか?」でも書きましたが、スポンジ状の骨(海綿骨)が多くあるところの骨を非常に正確にはかることができます。
また、はかる時間が比較的短い(全身で7〜8分、一部分で3分ほど)です。

では、逆にこの方法の弱点は

1)機器が大型なので、手軽に測定できない。
はかる事ができる機関が多くないという点があげられます。

2)足の付け根の骨(大腿骨頸部)をはかるためには、患者さんに負担がかかることがある。

という点も弱点といえるでしょう。



同じようなX線を使ってはかる方法に
MD(microdensitometry)法という方法があります。
この方法の利点は

1)通常のX線撮影装置での測定ができるので大がかりな機械が必要ない。

次に弱点として

1)DXA法と同じようにX線を使うので少量だけれども放射線の被曝をしてしまう。

という点があげられます。


次に、超音波を使う方法ですが、小さな機器に足のかかとを乗せてはかるのが一般的な方法です。

この方法の利点は

1)X線をいっさい使わず超音波のみを使うので、体にいっさい被爆がない。

2)かかとの骨をはかるため患者さんの苦痛もほとんどない。

3)さらに短時間ではかることができる

4)機器がDXAのように大がかりでないため取り扱いがしやすい。
という点です。



逆にこの方法の弱点は

1)骨の量のみを正確にはかることができない。という点です。

超音波の性質上、骨のみをはかるということはできず、骨以外の部分もはかってしまうからです。

2)骨のみをはかることができないため、皮膚のすぐ下に骨があるかかとなどと違い、骨折しやすい脊椎や足の付け根の骨(大腿骨頸部)を正確にはかれない。という点です。

 

それでは、それぞれの長所・短所を表にしてみましょう。

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(注)DXA法、MD法ともにX線の被爆をともないますが、DXA法では、健康診断で行う、普通の胸のX線撮影の1/20〜1/30といわれていますのでX線被爆量は非常に少ないといえます。また、DXA法は医師の指導のもとで臨床放射線技師が機器を取り扱うので安全性が高いといえます。
MD法はDXA法よりさらに被爆量が少ないためこちらも安全性が高いといえます。