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骨粗鬆症はどうやったら防げるの

骨粗鬆症を予防するための食生活は?


骨粗鬆症が食生活と密接な関係にある事を説明してきましたが、ではどういう食生活を行ったらよいのでしょうか?

骨は主にカルシウム、タンパク質でできていますので、これらを日常生活の十分に取ることが大切です。

特にカルシウムは、平成15年の国民栄養調査結果によると、日本人は常にカルシウムが不足している状態です。

さらに年齢を重ねるごとに腸からのカルシウムの吸収率は減っていきますので、一般に高齢になるほどカルシウムの摂取量に気をつけなければなりません。

では、カルシウムは1日どれくらい取ればいいかといいますと、年齢・性によって変わりますが約0.5g〜0.6gといわれています。

また、腸からのカルシウム吸収を助けてくれるのがビタミンD、牛乳の中にある乳糖などです。ですのでビタミンDを適量取ることも大事です。

さらにアルコールも適量(1日大瓶1本、日本酒1合程度)であれば、骨を作る作用に効果的なことが分かっています。しかし適量以上飲むと、骨密度を減らすという報告があります。

塩分も取りすぎると、塩の中のナトリウムのせいで、腎臓からのカルシウムの再吸収が低くなり、カルシウムが尿の中に溶けて出て行ってしまいます。日頃から適量(男性10g/1日、女性8g/1日未満)を取るように心がけましょう。

また、若い人が好きなポテトチップなどのスナック菓子は、ついつい食べ過ぎてしまい、糖分や塩分などを過剰に取りすぎてしまいます。
特にスナック菓子の中のリンの取りすぎは腸のカルシウム吸収をじゃまするので注意が必要です。

次にコーヒー・たばこなどの嗜好品ですが、たばこを多く吸う、いわゆるヘビースモーカーの人は骨量が低下しがちです。

女性では、エストロゲン(女性ホルモンですね)の濃度が低くなり閉経も早まります。
コーヒーに入っているカフェインもせっかく取ったカルシウムをおしっこと一緒に排出してしまう事がわかっています。

やはり、コーヒー・たばこなども取りすぎに注意が必要です。

ここで今まで出てきた骨量低下になりやすい原因をまとめてみましょう。

※カルシウム
 1日に約0.5g〜0.6g以上取ればOK
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※ビタミンD
5歳以下の幼児 10.0 μg (400 IU),成人 2.5 μg (100 IU)以上取ればOK
1μgは10万分の1グラム。
IUはインターナショナルユニットの略で、ビタミンDの場合、1IUは0.025μgになります

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※アルコール
 1日にビール大瓶1本、日本酒1合程度であればOK

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※塩分
 1日に男性10g、女性8g未満であればOK

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※スナック菓子
 スナック菓子中の塩分、リン酸の取りすぎに注意すること

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※コーヒー、たばこ
 たばこの吸い過ぎは女性ホルモンを低下させ骨量が低下する。
 コーヒーのカフェインでカルシウムがおしっこと一緒に出て行ってま
う。
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最後に、では骨粗鬆症になりにくい食事とはどんな食事なのでしょうか?

食事について非常に大事なポイントは、残念なことに正しい食事で骨粗鬆症が治ることはないということです。

正しい食事をすればあくまで、骨粗鬆症になる年齢を遅らす事ができるということなのです。
正しい食事は骨粗鬆症の予防のために行うのであって、すでになってしまった骨粗鬆症を治療するために行うというわけではないんですね。

また、どの栄養素も不足はもちろんですが、取りすぎも決してよくないということです。
カルシウムが大事だからといって、カルシウムばかり取っているとかえって食事のバランスをくずしてしまいます。あくまで適量を取るようにしましょう。