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骨粗鬆症に関するQ&A

良く聞く大腿骨頸部骨折(だいたいこつけいぶこっせつ)ってどこの骨折ですか?



高齢者の方や、骨粗鬆症の骨折の中で最もやっかいで大変なのが、「大腿骨頸部骨折」という骨折です。

大腿骨は、人の足の付け根にある骨で、人の体の中で最も長い骨になります。また、本来はもろい骨ではなく丈夫にできています。

この大腿骨は大きく3つの部分に分かれています。(簡単な図を書いて説明を行う)

  1. 骨頭
    骨盤にくっついている部分で、ボールのように丸い形をしています。この丸い形のおかげで足を前に出したり、後ろに引いたり自由に動かせるんですね。この部分を「骨頭」といいます。

  2. 頸部(けいぶ)
    1の骨頭と本来の足の部分の長い骨をつなぐ部分の骨を「頸部」といいます。頸は「くび」ともよびます。まさにくびのように細く「くび」れていますので「頸部」というのですね。

  3. 転子部
    2の頸部にくっついて大腿骨の一番下の部分「骨幹部」とのつなぎの役目をしているのが「転子部」といいます。

  4. 骨幹部
    「幹」という字が示すとおり、大腿骨の「みき」となる部分です。人間のふとももの部分の骨ですね。

    上の2の頸部を「大腿骨頸部」といい、この頸部が骨折することを、大腿骨頸部骨折というのです。

    この骨は2の部分の頸部が細くなっているため、また、この部分はスポンジ状の海綿骨が多いので骨粗鬆症になるとちょっとした転倒で骨折しやすくなるのです。
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    ということになるのですね。

    さらに重要なことは、大腿骨頸部骨折を起こすと、歩くのが困難になりますので、寝たきりの原因となりやすいことです。

    寝たきりになると外との接触や刺激が少なくなるため、また、生活の変化も少なくなるため、認知症など他の病気の原因にもなりかねません。

    骨粗鬆症→大腿骨頸部がスポンジ状になってしまう→ちょっとした転倒で骨折→寝たきり→生活の変化が少なくなる→認知症になる可能性もある

    という一連の流れができあがってしまうのですね。

    高齢者が骨折すると、骨が元のようにくっつくかどうかですが、時間は若い人よりかかりますが、骨はくっつきますので安心してください。